42話、採掘班


「アダマンタイトじゃああああ!」


ドーグとハヤトに、アダマンチウムゴーレムを紹介した。

ドーグはこの通り。


「体から剥がれ落ちた分は武器にできるけど、体自体は……うん、変形もできないね」


ハヤトは早速、能力を試している。

やはり討伐してもってくるか。

明日からは、七層採掘班を編成出来るようにしよう。





というわけで33日目。

朝は蒸し鳥と葉野菜のサラダと、コーンスープを食べた。

調理班と技術開発班のおかげで、色々と美味しいものが食べられるようになってきた。

美味しいものは良いね、心が安らぐ。


魔物生成で、カイザートロルを生成。

この子ならアダマンチウムゴーレムもワンパン出来るので、七層採掘班の一人目に任命。運搬係はアダマンチウムゴーレム。力持ちなので。


ただ、七層はまだクリアしてないので、今日のところは三層で深海鋼を集めてもらう。

今日で七層はクリアしておきたいな。





というわけで、七層。

三層の班にいたカイザートロルを、レオと交代。トロル君、メタスラちゃん、マリア、私の四人で坑道に向かう。メタスラちゃんが、ヒナさんのやり方を見て覚えたのか、発光してくれている。


「さて、進むわよー。マリア、魔力の濃い方、教えてね」


「はいなのです!」


マリアの指示に従い、進む。


道中、やはりゴーレムが出現した。

銀に光っているゴーレム、金色のゴーレム、白っぽいゴーレムなど、色々な鉱石らしきゴーレムがいた。全部トロル君でワンパンだ。強い。


「内部破壊で倒してるから、ほとんど崩れないね。トロル君が一番向いてるよこの層」


「金色なのです!お部屋に飾りたいのです」


マリアは現在、ゼストの城で預かられている。一番広い部屋だ。ゼストもなんだかんだ言って絆されてるのだ。


「金色のゴーレム人形、ドワーフに作ってもらいましょうね」


「帰ったらお願いするのです!」


ドワーフもでれでれに喜ぶだろう。





しばらく進むと、大きめのフロアに到達した。ボス部屋だ。

六層でも思ったが、ボスが出るようになってるんだな。六層ボスは復活してるのかな……?


「でっかいのです」


「でかいねぇ」


先程までエンカウントしていたゴーレムたちより、ふた周りほど大きいゴーレムがいた。

装甲が分厚く、魔法の膜のようなものも纏っている。防御が高そうだなぁ。


「ま、ボス級ならテイムだよねー。テイム!」


「テイムなのですー!」


というわけで、物理にも魔法にも強そうな大きなゴーレム、ゲット。

魔物情報をみてみようか。



オールゴーレム。

オールは鉱石のoreから、そして様々な鉱石の性質になれることからのダブルミーニング。

防御系の魔法と、軽量化の魔法を使える。自身を軽量化して敵に高速で詰め寄り、防御系の魔法を込めた拳で殴る、などの変則的な戦術を使う。頭がいい、というかコアの性能がいい、というべきか。

軽量化は自分以外にもかけることができる。



はい、運搬係決定!カイザートロルが倒したゴーレムを、アダマンチウムゴーレムとオールゴーレムが運び出す。完璧だ。完璧だが採掘班はもっと増やしたいな。


というわけで七層はクリア。

奥にあった階段を降り、八層のゲートを登録して帰宅。





「すごいのうコイツ。アダマンタイトより深海鋼より意味わからん。どうなっとるんじゃ……」


「スラちゃんに似たコアの性質なんだろうね、多分。いいねえ、僕もこういう身体にしようかな」


オールゴーレムはみんなにも好評だった。

名前はオールちゃんになった。


夜はいつも通り、みんなで晩御飯を食べる。

今日は馬刺し祭りだ。馬刺しだけだとカロリーが足りないので肉スープもいっぱいある。サラダももちろん。

ハヤトは、一応食事はできるようだ。食べたものを魔力に変換してエネルギーにできるという。なんかすごいな。


肉を捌いた残りの残骸から、オーガを作成。

力仕事の労働力が足りてないらしい。建材を加工したり、それを運搬するのに、スケルトンでは力不足になりがちだそうで。


そういえば、私の家が完成した。

二階建て、街で一番……いや、ゼストの城は置いておいてだけど、大きな家になった。広い庭もついている。馬ちゃんとケルちゃんの小屋もある。いいね。

マリアもうちで住むことになった。ゼストが少し寂しそうな顔をしたが、知らね。


やる事やったので、寝る。

明日も、街のために、がんばろう。

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