28話、ゴールドラッシュ
24日目。
朝はいつも通りに済ませ、一日がはじまる。
今日は……そうだな、カイちゃんを増やそう。空からの偵察を増やしていきたいな。
背中に誰か乗せたいな。今はいいや、適任が居そうで居ない。乗せる意味も今のところないし。
……そのうち、リッチ・マジシャンとかのせて航空魔法爆撃部隊!とかってしてみたいな。いや誰と戦うんだよって話だけど。
昼頃までのんびりと街を見て回ったりしていると、カイ二号が帰ってきた。
どうやら、人が来るらしい。誰だろう。
「お久しぶりです、タキナ殿!」
「ゴールドさん!……今日はまたすんごい荷物ですねぇ」
イカれた商人の、ゴールドがやってきた。
前回から……7日ぶりか。
いろいろと持ってきてくれたようだ。
「さて、タキナ殿には、説明する事が多すぎるほどありますので……まずは、ドワーフ達のほうから済ませてもよろしいでしょうか!」
「あ、はい、お昼ご飯つくって待ってますね」
肉と果物、そして畑でとれた野菜も使って料理をしよう。
この街の畑は、成長が著しく早い。やばい土地とやばいトレントとやばいスライムが相乗効果を起こしているためだ。なので殆どの作物が十日前後で出来上がる。……魔素とやらを含んでいるのはご愛嬌だろう。人体に毒では無いらしいし。
そうだな、めんどくさいし鍋でいいか。全てを大きな鍋に投入し、適当に味をつけて皿に分ける。スケルトンたちが手伝ってくれる。……つくりすぎたな。
「まずは、我が領で保護した奴隷たちを20人ほど。これはご自由にお使いくださって問題ありません。が、出来れば人道的な行いを期待しております」
奴隷20人。
全員が女だ。……使い道は、そうだなぁ、料理係とか?私は肉を焼く事しかできないから。うん。鍋ちょっと失敗して落ち込んでる。
おおきな街になったら宿屋とか料理屋のホールにでも就かせればいいかな?貴重な住民だ、大事にしよう。
「そしてこちらは、犯罪者ではありますが、罪状が『王家への思想反逆罪』で捕らえられていた技術者たちです。国家に属する私が言うのもなんですが、普通の人間たちですので、街のインフラ開発などをさせると良いかと」
犯罪者10人。
犯罪者ときいてビビったが、要は便利を求めすぎて王家のやり方に口を出してしまった人達だそうだ。まあ、政治やら宗教やらで大変だろうからね、国は。こっちでは思いのままに働き尽くしてもらおう。
「そしてこちらは、衣服や調度品などなど……調度品は、ご自宅が完成した暁に飾って頂ければと」
私の家だが、まだ完成していない。
いや、一度は完成を見たのだが、今は素材を変えて改築中だ。街のトップが木造に住んでるのは、まわりが気を使いそうでダメだということなので。いまはちゃんとレンガやら石材やらでつくられている。完成はまだ先だ。
いただいたマットや寝具、収納家具、その他もろもろは、ひとまずゼストの家に置かせてもらった。
「そして細かいものが諸々……これくらいですかな。そして、御相談があるのですが」
いろいろと雑貨やら生活必需品やらをいただいた。
御相談とやらの内容は、この街とゴールドの領地とで道を繋げたい、という話だ。
全額ゴールド側が出すという話だが、それはちょっとどうかと思ったので、こちらからは人手と換金用素材を出すことにした。
「というわけで、スケルトン30体と海鎧3体を、単純労働と荷物運びとして貸し出そうかな、と」
「……口の硬い事業者に任せます故、ありがたく受け取らせていただきます!ご厚意に感謝を!」
……ちょっと複雑な顔しなかった?気のせい?
とにかく、いろいろ手に入った。
街の発展計画の資料とかも貰ったが、とりあえずドーグをリーダーにして技術犯罪者とともになんとかしてもらう事にした。
私の知らないうちに良い感じに区画整理もされてるし、ドーグに任せておけばうまく行くだろう。
私は街を守れるように戦力を増強すればいい。なにと戦うとかは今のところないが、備えれば備えるほどいいのだ、多分。抑止力というやつだ。
……明日はトロちゃんでも増やしてみるか?いや、さすがにエサの荒野がなくなっちゃいそうだな。
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