第9話※過激な性描写を含んでいます
「え?お前、それ本気?」
「本気も本気だ。」
「まじか。ごめん。ちょっと席外すわ。またな。」
そう言って将斗は本当に席を外し、荷物まで持っていった。
わかってはいた。いくらアイツでも、俺みたいなやつにはご勘弁だろうなと。
だって、かつて俺は異性愛者だった。別に今の俺が同性愛者なわけではない。
斗真のアプローチ、あのしつこさが俺を変えた。こいつとだったら、俺は幸せになれるかもしれない。そう、いつの間にか心の奥底で思っていた。
同性婚が主流ではない日本で籍を入れることはできない、残念ながら。
せめて、結婚指輪だけでもしたい。こいつは俺の男だ、という印に。
色々と考えていると、肩に両手がポンと乗せられた。後ろには斗真がいた。
「お、どうした?」
「さっきまでいた川上先輩がどこかに行かれたのでこれはチャンスだ!と思って来ちゃいました。」
「はぁ…。」
「なんで溜息?!嫌でした?!」
その溜息じゃねえぇぇぇええええええ!!!
あ゙あ゙あ゙あ゙可愛すぎる…今すぐ保護したい。
「はぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ」
「すっごい大きなため息ですね?!?!そんなに俺が嫌ですか?!」
「斗真ぁああ…少しツラ貸せぇええええええ!!!」
「えぇぇぇえええやだぁぁぁぁ!!!!しにたくない!!」
「死なねえ!!!」
俺は斗真の腕を引っ張り、トイレの個室にやってきた。
「せ、先輩?」
俺は戸惑っている斗真をも愛おしく思いながら、卑猥なキスをする。
こんな感情初めてだ。恋人が愛おしくて仕方がない。唇が、言うことを聞かない。
「はぁ、はぁ、んん…!」
心の中では今めちゃくちゃに謝っている。こんなことしてごめん。だけど、だけど…!!俺の理性が言うことを聞かねえええええ!
「斗真ぁ…斗真ぁ…愛してる…世界一愛してる…離れたくない…」
「先輩落ち着いてください!正気に戻ってください!」
「…はっ!」
な、なんてことだ。斗真の首に…キスマがいっぱいついて…
「ごめん…なさい…。あまりにも可愛くてつい…理性が飛んでいました…。」
「先輩…。大丈夫です、俺なら。理性が飛んでいた先輩も最高に可愛かったですよ。また新たな一面を知れました!」
本当に、こいつはいいやつだなあ…
こんな俺を許してくれるのは斗真しかいねぇよ…
「さっ!食堂に戻りましょう!荷物が置きっぱなしです。だし、あと数分で講義が始まります。」
「それもそうだな。しっかり食べれたか?」
「まぁ…そうですね。腹八分目食べましたから。あとの2割は先輩のあつーいキスでした。もうお腹いっぱいです!」
「そ、それならいいんだが…。」
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