シーズン2
第1話
俺の名前は、
俺たちはあの日、正式に付き合うことになった。
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『斗真。俺は、お前が好きだ。』
『え、い、いいいい今先輩、好きだって言いました!?』
『ああ。言ったよ。』
『は、初めて言われたものだから…すごく心臓がバクバクしてます…!』
『返事が遅くなってすまなかった。付き合ってくれるか?』
『はい、喜んで!!』
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ちゃんと好きになってから斗真の寝顔を見ると、なんだか前よりも愛おしく見えてくる。
俺は左手で斗真の髪の毛を触る。ゆっくり、ソフトに。
改めて、彼氏目線で斗真を見ると、すごい綺麗な顔で、透明感があって、なんでこんな俺のことを選んでくれたんだろうなと思うくらい美人な少年だ。
「可愛いな…」
そんな言葉が口から自然と出るくらいだ。
「先輩、今俺に可愛いって言いましたね?」
「どぅえあ?!?!!」
斗真は完全に爆睡していると思っていた身だったので、突然の斗真の声に驚きすぎて変な声が出てしまった。
「お前…!起きてたな?!」
「いや…髪触ってたところは知りませんよ」
「起きてんじゃねえか!!それ起きてるっつーんだよ!」
ったくもう…起きてるなら起きてるってはっきり言えよ…
心の準備っつーもんがあるんだからよ…
「せーんぱいっ。今日は俺が朝飯作りますね。」
「ありがとうな。まあずっと作ってくれた方がありがたいんだけどな。」
「え…!それってもしかして、俺と結婚しt…」
「俺が料理下手だからだよ!!!言わせんな!!ほら、もう起きろ。」
俺は何かを言いかけた斗真の背中をぐいっと持ち上げ、そう言う。
今日の天気は晴れ。もうすぐで春が近づいてくる。というかもう近づいてる?
花粉がいっぱい飛んでそうな暖かい風、気温。雲一つない、偽りのない青空。まだ7時だっていうのにこの明るさ。もう部屋は昼みたいに輝いている。
「斗真ー。今日は何作ってくれるんだ?」
毎度おなじみのエプロンをつけている斗真の背中に問いかける。そしてこちらにくるっと体を向ける。
「今日ですか?今日はですね…少しおしゃれに、フレンチトーストのバニラアイス乗せはいかがでしょうか?確か昨日らへんに、ダブルソフトと卵パックと牛乳とバニラアイスを買ったはずです。先輩はゆっくりくつろいでいてくださいね。」
「ああ。ありがとう。」
俺が感謝を伝えると、耳を真っ赤にさせた斗真は作業へとうつった。
それにしても、朝からフレンチトーストか。随分豪華な朝飯だな。俺はもはや貴族だな。てか、俺が基準にしてる貴族ってどんなんだよ。朝からフレンチトースを食ったらそれはもう貴族なのか?そしたらほとんどの人が貴族になるんじゃねえか?
今日はなにをしようか。今日は休日。映画とか見に行くか?それともゲーム?どっちも良いな。デートらしいな。
俺はソファ越しから斗真をじーっと見つめる。相変わらずスタイル抜群だな。顔もきれいだし。ほんとにこんな美少年が俺の恋人で良いのか?まぁた俺はなんの利益にもならねえことを考えている。もうやめてえな、この癖。
斗真のエプロン姿は一生見ていられる気がする。…気がするだけ。
俺もなんかしなくちゃだよなぁ…斗真に頼ってばっかだと色々だめだと思うし。
そういや、今月のシフトなんだ?いや、確認はしてるはずなんだけどコロコロ変わるもんだからさ。
俺はスマホを手に取り、シフト表のファイルを開く。
ーーーーーーーシフト表ーーーーーーー
3月28日(木)
13:00〜20:00
休憩可能時間 45分間
__________________
3月29日(金)
9:00〜15:00
休憩可能時間
(昼食込み) 45分間
__________________
3月30日(土)
9:00〜15:00
休憩可能時間
(昼食込み) 45分間
__________________
3月31日(日)
9:00〜15:00
休憩可能時間
(昼食込み) 45分間
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「(あー今日午後からか。斗真のやつはどうなんだろう。)」
「せんぱーい!フレンチトーストできましたよ!温かいうちに食べましょう!」
「了解!」
いいや。今日のシフトのことは食事中にでも聞けばいいや。
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