禍原さんの百物語
木古おうみ
宵の入り
久しぶりだなあ。いつ以来だろう。
昔はこうやってよくお前が遊びに来たっけ。だいたい宵の入りだったなあ。
遊ぶって言っても、大したもんがないから、ただ話をしてばっかりだけど。
だいたいは怖い話だった。よくお前に怪談を聞かせてくれってせがまれたっけ。覚えてないか。
お前に会わない間、結構話が溜まったんだよ。
時代も場所もバラバラで、オチも理由もないものだけど、怪談なんてそんなもんだろ。
せっかくだし、お前が寝入るまで、またあの頃みたいに怖い話をしようか。
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