第5話 掃除 2

アドルに引っ張られ連れられた場所は

大通りを外れ少し先にある店だった


義肢屋 リリィ


店の扉を叩けば落ちてきそうな看板を貼り付け

今にも潰れてもおかしくない見た目だった


ライン

「こんなのが秩序維持の柱、、、?」


間抜けな声が出てしまう

それもそうだ

そんなに長い道のりではなかったが

秩序維持の柱になる人物の店なんて言われた


ならばこそ、もっと派手だったり

あるいは威圧感のある建物を想像した


アドル

「まぁ、見てくれはアレだが

 中身も驚くぞ」


そう言いアドルは中に入る

それに続き私も店に入った


薄暗い、ちょっと埃っぽい

本当に店なんかしているのか?

そう疑問に思っていると奥から声がする


「ハイッハイッ!今行くから待っててね!」


女の子の声?


そう思っていると奥の扉開き人が出てくる


銀髪のボブヘアというのだろうか?

外は寒いというのにタンクトップを着た

女の子が出てくる


「ハイッ!義肢屋 リリィにようこそ!

 腕が取れたの!それとも足?

 なんでもあるし、なかったら作るよ!」


明るくそう言うがアドルの姿を見ると

途端に表情を暗くする


「なんだアドルかぁ、

 なんの用なの?腕?足?

 取れたなら取れた時の話しの方が聞きたい

 のだけど?」


態度の落差が酷いな

どうやらアドルは客ではないらしい


アドル

「そんなに邪険にするなよ

 今日は新入りを紹介するために来たんだよ」


そういうと彼女は私に目を向け

もう1度明るい表情を作り直す


「あらっ!新人さんがいたんですね!

 私はリリィ・リンブ!歳は18歳!

 腕でも足でも取れた時はいつでも来てね!

 料金はしっかりもらうけど!」


彼女はリリィと言うらしい

腕も足も取れる予定は無いし

世話にはなりたくないな


アドル

「ところでダディは?

 実は近々、掃除があるって聞いたんだが?」


アドルが尋ねる


リリィ

「ダディは掃除の準備中だよー

 今は忙しいから会いたかったら

 掃除場所で直接あったら良いよー」


やっぱり態度の落差が酷い

アドルは馴れているみたいで気にもしていない


アドル

「じゃあ、当日に掃除場所で

 ダディにも伝えておいてくれ

 新入りの紹介するから派手に頼むって」


リリィ

「りょうかーい、、、

 あっ、新人さん!掃除場所に行くなら

 腕か足が取れるかもしれないから

 その時はウチに来てね!

 治療もできるから病院より確実だよ!」


腕か足が取れないように頑張るのが目標だな

そう私は考えていると

アドルが店を出ようとする

私もそれに続き出ていく間際に

自己紹介をしていないことに気がつく


ライン

「私の名前はライン・レイヤーです

 世話にならないように頑張るので

 よろしくお願いします」


リリィ

「ラインさんね!

 世話になることを祈っておくねー!

 ダディにはくれぐれも誤射しないように

 伝えておくねー!

 あとアドルは全身吹き飛べぇ!!」


すごく過激な言葉を聞きながら店を出る


ライン

「彼女になにかしたのですか?」


アドル

「なにもしてないと思う、、、」


自信がなさそうにアドルは答えるのであった


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