第4話 掃除 1
ここはどこだ?
とにかく寒く周りにはレンガ造りの建物
まるで中世を思わせるような光景が広がる
アドル
「ここがお前の左遷先こと無法地帯!
ディゾルヴだ!」
私は軍服の長袖を広げきり
腕を擦って寒さに耐えているのに
アドル先輩は腕まくりまでしている
この人には寒さという環境による攻撃は
効果がなくなってしまっているのだろう
ライン
「左遷先が極寒なうえに無法地帯って、、、
ってか、無法地帯ってどういう事ですか?」
寒さに耐えつつ問いかける
アドル
「あぁ、、、
無法地帯ってのはちょっと違ったか
正確には秩序はある」
ドォォォン!!
突然の爆発音
目の前の建物の入口が吹き飛ぶ
「この、クソマフィアどもがぁ!!!」
ゴロツキのような男が入口から飛び出し
拳銃を振り回しながら照準を合わせようとする
しかし私から見てもどこにも見えない
パンッ、、、パンッ!
2つの銃声とともに男の胸に1発
次に頭部を1発ずつ弾丸を貫く
アドル
「これがこの街の秩序さ
マフィアによる暴力の統制
さっきの男は麻薬を許可なく売りさばき
この辺りを薬漬けにしようとしてたのさ」
これが、、、秩序?
いや、これが秩序ではないだろうし
こんなことをしていたら怪我人に死人
いつでも大惨事じゃないか
ライン
「暴力での秩序は否定しませんが
あれではあの建物の住人の被害が、、、」
そう言いかけると建物から人が出てくる
どこかに向かい頭を下げる
アドル
「あの撃ち殺された野郎以外は
今日、ここで爆発が起き銃殺が起こる
それを知っていたし避難もしていたのさ」
そんな馬鹿なっ!
マフィアって叫んでたから絶対に裏の組織!
そんな奴らがそこまでする訳ないだろ!
そう叫ぼうとしたが
頭を下げていた人に歩み寄る人がいた
アドル
「よう!ボスティー!
今日も派手にしたなぁ!」
そうアドルが叫びながら駆け寄っていく
私もその後を追いかける
ボスティー
「おうっ!アドル!
このクソ野郎を始末してスッキリだぜ!
っと、後ろの奴が連絡してた新入りか?」
ライン
「ライン・レイヤーです、、、
この爆発と銃撃は計画的な犯行なんですね」
自己紹介をし、そう問いかける
ボスティー
「そうだぜ!
このクソ野郎は勝手に葉っぱを売る!
売って良い場所と悪い場所があるのに!
適正が無いやつには毒だ!
だが!適正があるやつには薬!
だからこそ管理が必要なんだよ!」
麻薬の話しなのに熱く語る男
私は意識せず冷ややかな目を向けていた
アドル
「そんな目で見るなって、、、
変な話しだが事実なんだよ、、、」
ちょっと呆れたようにアドルが口を開く
アドル
「実際、それのおかげで
平和に暮らせている家庭もある
酒と同じで人生の麻薬ってやつなのさ」
いや、それを良しとするから無法地帯なんだろ
そう言いかけたが
現状2対1で劣勢になることが目に見えている
ので口には出さないでおく
アドル
「しかし、最近多くないか?
爆発とか銃撃とかさぁ、、、
いくら理解してもらっていても
あまりに多いと流石に不信を買うぞ?」
ボスティー
「そうなんだよ、、、
どうもよそ者の組織が介入してるみたいだ
ここらで1回掃除が必要かもしれんな」
掃除?
そう疑問に思ったが答えは単純だろう
ライン
「殲滅するのですか?」
そう問いかけるとボスティー氏は頷く
アドル
「つまりアイツを雇うってことだな?」
もう1度ボスティーは頷き
それと同時にアドルは笑みを浮かべた
アドル
「じゃあ、ライン!
ディゾルヴ軍支部に行く前に
寄らなきゃいけない場所が増えたぞ!!」
アドルはそう言うとボスティーに別れを告げ
私の腕を引っ張り走り出す
ライン
「どこに向かうのですか!?」
アドル
「先に教えとかないと大変なんでな!
ここの秩序維持の柱になる人物の店だ!」
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