第2話 反抗 2

悔しさのあまり下を向いてしまっていた


そんな私に上官は覗き込むように近づき

そのような発言を投げかけてきた


その瞬間、私は何もかも分からなくなった


ドンッ!


ただの1撃、1振りの拳が上官の顎に当たる


鈍い音、1つの音に聴こえたが

我に返ると共に

様々な音が重なっていたのだろう


殴られ倒れた上官、顔を赤くしている

折れ曲がり痛みをはしらせる指


殴った音、指が折れた音、倒れた音


その全てが重なって聴こえるほど

私は怒りに任せていたのだろう


「きっ!貴様は上官に向かって!

   なんて馬鹿な真似をしたのか

         理解しているのか!」


そう言うと懐の拳銃に手を掛けようとする


私は自分のしたことに後悔がない


だからこそ、ここでコイツを、、、!


バンッ!


大きな音をたて上官室の扉が開く


「そこまでにしましょうよ、上官

 コイツが甘いのは確かだが

 さっきの発言はどうかと思いますよ?」


そこには髭を伸ばし

軍服にベレー帽を被った者がいた


「ここで殴られたからと言って銃殺、、、

      流石にそれはやり過ぎですよ

  殴られる為の発言したような内容なのに」


「くっ、、、!」


上官は拳銃から手を離し、口を開く


「貴様は左遷とするっ!

 あのクソ田舎で役に立てない!

 ならばもう少しマシな場所を用意して!

 そこで役に立つと証明しろ!!

 そこでも役に立てないのなら軍人を!

 帝国民をやめてもらうからなっ!!」


あの貧しい場所よりマシな場所で左遷?

疑問を抱き問いかけようとした時

先ほどの髭に邪魔をされる


「じゃあ、コイツが殴った事はお咎め無し

 それでいいですね?」


上官は無言で頷き、さっさと出ていけ

そう言うような態度で私を睨みつけた


「しつれぃ、、、」


失礼しました

この言葉は先ほど拳も謝罪する気がした

軍人としてのクセを抑え込む


私も無言で睨み退出をする

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