第11話
「…ッ、ここは?」
狗神仁郎は周囲を見回す。
其処は、砂漠の様な場所だった。
地面が渇いている、生命と呼べるものは存在しない。
空は何処までも紫色の雲で満ちている。
はっきり言って、終末の世界だと狗神仁郎は思った。
「…嬬恋さん、クソ、はぐれた」
「あの人が指輪を投げなければ…」
「…いや、卑しくも指輪を追った俺の責任か」
狗神仁郎は溜息を吐いた。
このままどうするか、狗神仁郎は思う。
罠を踏んで転移した。
とすれば、まだ罠は残っている。
嬬恋のれんも追って罠を踏んで来る可能性もあった。
だから、狗神仁郎は此処で待つ事に決めたの、だが。
「…ッ」
瞬間、戦闘態勢に入る狗神仁郎。
ずん、と地面を踏み締めて揺れる。
渇いた大地を震撼させる、狂気。
感知したと同時に、覇気を浴びせられる。
「あァ、なんだァ?」
木製の甲冑を着込んだ巨躯。
手には一振りの槍。
それも、髑髏を模した大槍だ。
「なんだ、同業者かよ」
大槍を所持した木製甲冑の男。
狗神仁郎を認識したと同時、安堵の息と共に声を漏らす。
「…同業者って、じゃあ」
狗神仁郎が喋り出したと同時。
木製甲冑の男は、大槍を構えた。
「じゃあ、殺し合うか」
そう、木製甲冑の男は殺気を噴出した。
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