第7話
狗神仁郎の前に立つ嬬恋のれん。
迷宮に対して過敏になっていた狗神仁郎は少しムッとした。
「なんすか、急に」
嬬恋のれんは、狗神仁郎に自分の気持ちを口にした。
大迷宮・奈落迦で行う様な行動では無かった。
「なんすかじゃねえんだよ」
「なんでお前だけ普通に反応してんだ!」
「もう少し意識するもんだろうが!」
狗神仁郎の胸倉を掴む。
が、嬬恋のれんの背は低い。
狗神仁郎は首を引っ張られて中腰になってしまう。
その状態で、狗神仁郎は言う。
「別に、仕事とは関係ない事でしょ、それは」
「俺は、今は集中したいんで」
プライベートの事ならばまだしも。
今は、敵が出て来る様な状況である。
大迷宮に存在する魔物。
それは『
狗神仁郎は、劫傀の存在を忌避していた。
「ああ?!じゃあテメェ!」
「あたしとの初夜は仕事以下だってのか?!」
腕を振る。
狗神仁郎の首が前後に動いた。
「ぐ、ぁ、ちょ、ッ」
「くッ…優先順序があるって話じゃないすか…」
「…面倒臭いなこの人」
思わず、狗神仁郎は言ってしまう。
その言葉を、嬬恋のれんは聞き逃さない。
「今面倒臭い女って言ったか!?」
「誰のせいで、誰のせいでぇ!」
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