第10話
「その、深蝕転化って…」
「私達は、禍遺物を使用します」
「すると、肉体に呪詛を得ます」
「一定の呪いを受け続けると」
「肉体が陰寄りになるのです」
「そうなれば…呪詛超過によって反転」
「この地に棲む劫傀と化すのです」
それが、深蝕転化。
彼女の言葉が本当であるのならば。
「閻は、劫傀になった、って事か?」
佐夜鹿紗々は頷いた。
「えぇ、彼は現在」
「この奈落迦を彷徨う劫傀です」
「人語など発しない」
「理性の無い獸と化しました」
だから。
と、佐夜鹿紗々は一言添えて。
「閻に出会ったら逃げて下さい」
「この地には、四大死凶と呼ばれる災害があります」
「それに出くわせば死に至る」
「禍遺物でもどうにでも出来ない壁」
「閻はその四大死凶の一つなのです」
喉を鳴らす狗神仁郎。
恐怖、と言うよりかは興奮していた。
自分の命を摘んで来る存在が居る。
そう考えるだけで、笑みが零れそうだった。
そして、流石にニヤつくのは気持ち悪がられるだろうと思い。
手で、頬を掴んだ。
「…何をしているのですか?」
佐夜鹿紗々は、狗神仁郎の行動を見て、そう訝し気に言うのだった。
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