第8話
狗神仁郎と佐夜鹿紗々。
二人が向かう場所は、大迷宮・奈落迦。
この迷宮には、ある噂が立っている。
いや、それは噂では無い。
巷でにぎわう様な話のタネのようなものであり。
存在するかしないかで言えば、確実に存在するものだ。
大迷宮・奈落迦。
呪いに満ちた迷路。
ここでは、様々な呪詛を得た道具を得られる。
そして、もしもこの奈落迦の最下層へと到達する事が出来れば。
どんな願いもかなえる事が出来る、と言ったものだった。
「果たして、それが本当であるか…」
「と、言う問題ではありません」
「既に、願いを叶えた者は存在しますから」
「俺は新参だけど」
「マジに願いが叶ったんですか?」
狗神仁郎は訝し気だった。
だが、佐夜鹿紗々は表情を崩さず言う。
「勿論、願いを叶えた者は」
「僅か、一人だけ、ですが」
僅か一人。
それを聞いて、狗神仁郎は逆に、信憑性が高まったと思った。
「…それは一体、誰、なんですか?」
狗神仁郎は言う。
佐夜鹿紗々は、冷静な表情を崩す事無く、名前を告げる。
「
「尤も、その願いの内容を聞いた事はありませんが」
佐夜鹿紗々は口を紡ぐ。
それ以上の事は何も知らないのだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます