最後の足掻き

篝火

好きだった

ボクは彼女が好きだった。

だけど決して叶わない恋だと自覚している。


あの日あの夕日に照らされた彼女を見た時に恋に堕ちたのだろう。

彼女の長いストレートヘアが、風にさらわれた姿が眩しく思い、見惚れてしまった。


「……キレイ……!」

その呟きが自然と口の中からこぼれたことに、ボクは少し戸惑ってしまった。


そして、ボクは次の日も……その次の日も彼女を目で追っていた。

ある日、ボクは勇気を振り絞って彼女に声をかけようとした日に知ってしまった。


いや……見てしまった。


それは……ボクに掛けられた魔法が解ける十秒前の出来事……。


               (完)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

最後の足掻き 篝火 @ezweb

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ