RACCOON

再会 伍

「って！もうお菓子なくなってるじゃないですか！」

あっ。

「目を逸らさないでください！」

「おかわりとってくる。」

数分後

「サタンアンダギーでしたっけ、美味しいですね。」

「サーターアンダーギーな。」

どこぞの悪魔の名前みたいだな。

「名前長いから覚えにくいです。」

「そうか？」

「そうですよ、って！また路線が．．．」

「えっと、なんの話をしてたんだっけ？」

「忘れたんですか！？私も転生したという話から誰のせいだ問題になって現在の種族の分類に入ったんですよ！」

「嵐（らん）、本当にそういう記憶力いいな。」

「ありがとうございます！」

「できれば敬語もやめてほしいんだが。」

「無理です。」

間髪入れずに言われた。解せぬ。

「あ、満ちゃんに聞きたいんですがちゃんとご飯食べてますか？お菓子ばっかり食べてませんよね？」

「食べてない．．．はず？」

「また、昔みたいにストレス溜まってのやけ食いしてるんですか！？」

「学校生活が．．．って！今そういうこと話すときか！？」

「気にしますよ！」

「じゃあ、なんで嵐（らん）はあそこに来る前ずぶ濡れだったんだよ！」

「え、えーと．．．この話終わりにして次の話行きましょう。」

話逸らした。

「ジト目で見ないでください！」

「見てない。」

「そういうとこですよ！」

「で、なんでだ？」

「子供が溺れてると思って飛び込んだら妖でした。」

「．．．え？」

「だからぁ！言いたくなかったんですよ！！恥ずかしいじゃないですかぁ！見分けつかなかったって！！」

「えっと、溺れてると思った子供が妖だったと？」

「そうですよ！」

「たぶん、その妖キジムナーじゃないか？ガジュマルの妖精と言われているが河童の仲間だからな。ここ、沖縄に多い妖で泳げるし、ぱっと見、子供に見えなくもない。」

「やめてください．．．そのフォローが一番堪えるので．．というわけで次は満（みつる）ちゃんの番です。」

「話さないと駄目か？」

「えぇ、駄目です。」