再会 肆

「え、えーと...」

目が泳いでるな。

「冗談だ。別に言わなくていい。」

聞き出すのに時間がかかりそうだからな。

「本題に入るか。お前は何者なんだ?」

「え!?覚えていないのですか!?」

やっぱり知り合いなのか?けど心当たりがあるとしたら...

ひと違いだったらすまないが、風狸ふうりらんか?」

「そうですよ!覚えてないのかと思って不安になりました。」

あっていたようだ。

「それにしてもらん、人に化けるのそんなにうまかったか?」

「道満様と同じですよ。」

「どういうことだ?」

「私も転生したんですって。」

「...死んだのか!?」

私のせいで...

「一応言っときますが後追い自殺とかではないですからね。道満様が死んだあと、あの小屋に火を放たれたんです。気絶してたので気づいた時には逃げられませんでした。」

「やっぱり私のせいじゃないか。」

「だから違いますって!謝るのはこっちの方です。私が捕まることがなければ殺されずにすんだんです。」

「いや、関係ない。元々、私は貴族からも疎まれていた。どっちにしろ安倍晴明に殺されなくとも殺されていただろう。結果的に安倍晴明に殺されただけであって。まあ、だからといってあいつを許しはしないが。それと、らん。前にも言ったが様付けはやめてくれ。」

「畏れ多いこと言わないでください。」

「名前呼びでいいから、頼む!」

さすがに日常的に様付けされるのはきつい。

「満さんで...満ちゃん、これでいいですよね!」

別に圧力かけたつもりじゃ...

「顔に書いてあります!」

そ、そうなのか?

「話戻しますね。今の私は風狸ふうり妖狸ようりのハーフです。」

「今は結構多いな。似た種族で結婚するのは。」

「そうなんですよね。今は耳と尻尾隠すだけでいいから人に化けるのは簡単になりました。」

そして耳と尻尾が露わになる。

「前世でお前が人に化けていた時とあまり変わらないな。」

「言われると思いました。」

苦笑した顔で言われた。そんなに表情に出ているのだろうか。

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