【ご】【ゴム】その一言で、ピュアかどうかがわかる

え、輪ゴムの事だよね? 薄々? な、何のことかな?


 ショートショート


「お兄ちゃん、おにいちゃん」

「んどうしたんだ?」

「お兄ちゃんは私と【イイコト】するなら中と外どっちがイイ?」

(お兄ちゃんと遊びたいだなんて、こいつもまだまだ子供だな)

「ん? イイコト? やっぱり遊ぶとしたら外かな?」

「え――っ、私は中がいいなぁ」

(こいつ、インドア派か……)

「分かった。じゃあ、中で……」

「うん。じゃあ、絶対中だからね! 外に出しちゃダメだからね!」

(ふむ。外出はダメか……)

「それと、ゴムも禁止!」

「ん? なんの話だ?」

(輪ゴムで遊ぶのか?)

「いやだなぁ、分かってるくせに……」

「いやいや、妹よ。遊びの話だよな?」

「そうだよ。私とお兄ちゃんの【楽しいコト】だよ!」

「そうか……どんな遊びなんだ……」

「えーっ、口で説明するのはちょっと……」

「もしかして危険な遊びなのか?」

「そうだね。危険……というか禁断の遊びだね」

「き、禁断の遊び!?」

「大丈夫だよ。むしろ身体にはイイことなんだよ!」

「痛くない?」

「うーん、お兄ちゃんは痛くないかも……私は……初めてはやっぱり痛いみたい……」

「おいおい、何の遊びなんだ?」

「ただの競争だよ」

「競争?」

「そうだよ。先にイッたら負けなんだ」

(先に言ったらダメ……なんか斬新なゲームだな)

「だから、お兄ちゃんは先に私をイカせたらいいんだよ!」

(それは「言わせたら」ダメってことだな。うんうんわかるぞ。言い間違いはよくあることだ)

「それにしても、どんな遊びなんだ?」

「そうだなぁ。手とかお口とか腰とか使うんだよ」

 (……うーん。駄目だ……想像できん)

「そ、そうか……ちなみにお前の得意なのはなんだ?」

「そそそ、それは……、お口でするの……かな。練習したし……」

「練習?」

「う、うん。舌使いとか……練習したから……」

「おい、顔が赤いけど大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ!」

「そうか。それならいいけど」

「お互いの「初めて」の交換だね!」

(妙な言い方だな……まぁ、確かに初体験になるもんな)

「そ、そうなんだ。お前は偉いなぁ。色んなこと知っているんだなぁ」

「うん。お兄ちゃんと一緒に気持ちよくなることが私の夢なんだ」

「そうか……ゲームには爽快感が必要だもんな」

「そうだね。お兄ちゃんも私のことがもっと好きになるよ」

「ハハハ、そうか。お兄ちゃんはお前のことが大好きだぞ」

「本当! やったぁ! これで相思相愛だね!」

(ん? 相思相愛って兄妹でもそういうのかな……)

「あ、ああ。そうだな」

「愛さえあれば大丈夫だよ!」

「そ、そうか。そうだな」

「それじゃぁ、早速今夜にでも……」

「えっ、夜なのか……」

「お兄ちゃんは今がいいの?」

「ああ、せっかくだから今からやろう。ダメなのか?」

「ううん。ダメじゃないよ! じゃあ、待っててね。今から準備するから」

「準備が必要なのか……」

「あ、そうだ……他に何かリクエストある?」

「リクエスト?」

「そうだよ。ほら、服装とか、道具とか……」

「そうだな……そうだ縄跳びとかどうだ?」

「な、縄……う、うん。お兄ちゃんが望むんだったらいいよ」

「それに、確か友達とアニメの服を着て遊んだりしているだろ。たまには着て見せてくれよ」

「う、うん。「コスプレで縛り」だね」

「ん?」

(なんかニュアンスが違うみたいな……まぁ、いいか)

「それじゃあ、準備するから部屋の明かりを消してベッドの中で待っててね」

「なぁ、いったいどんな遊びなんだ?」

「心配しないで、ちゃんと教えてあげるから」

 じゅるり

「そのカラダにね♡」

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役に立たない一言辞典 須賀和弥 @vision_com

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