【ず】【頭痛薬】半分は優しさでできている

頭痛に対して沈静作用がある薬の事。主成分の半分は「優しさ」であるらしいが、その分も効き目の方に回してほしいと思うのは私だけ?



ショートショート


「う~ん、研究のしすぎで頭が痛い」

「博士、これを飲んで下さい。頭痛薬です」

「おお、気が利くな」

「いえいえ、当然のことをしたまでですよ」

「おお、そうだ、せっかくコーヒーを淹れたんだ。飲んでいかんかね」

「いい香りですね。いただきます」

「頭痛も収まれば、この研究もいよいよ大詰め……うっ!く、苦しい!!」

「おや、博士苦しそうですね」

「君は私に何を飲ませたんだ……」

「即効性の毒薬ですよ。時間が経てば血液に溶けてしまうから、証拠も何も残りません。ついでにこの研究成果は私ひとりのものに!」

「おのれ……」

「礼には及びません。博士が毎日大変そうだったので、私が楽にしてあげ……うっ!ま、まさか、このコーヒーにも……」

「……はは!、お互い考えることは一緒のようだな!」

「……まったく……です……」

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