役に立たない一言辞典

須賀和弥

個人所有型万能電話機。最近はコミュニケーションを高めるためのツールとして使用されることが多いが、使用方法を誤ると人間関係を破壊し尽くす最終兵器へと変貌する。

ショートショート

「お兄ちゃん、このメールなんだけど」

「どどど、どうしてお前が俺の携帯を持っているんだ！」

「この子、私のクラスメイトなんだよね……やたらと親しそうな内容なんだけど」

「……そ、そうかぁ、そうなんだ。何かの間違いメールだな。うん、きっとそうだ」

「じゃぁ、このメールに私が返信しても大丈夫だよね」

「いやいや、ちょっと待ってくれ、そんなことしたらとても困……」

「汗なんかかいて、どうしたのかなぁ？」

「……すみませんでした。もうメールしないので携帯を返してください」

「もう二度とこんなことしない？」

「二度としません！」

「絶対に？」

「絶対にです！」

「やっぱり信用できない。そうだ、いい考えがある。この携帯は”処分”しましょう！」

「うぉおおお、携帯をトイレに流すなぁ！！」

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