第12話 バナナ姫VSラーテル辺境伯1
例によって、はらぺこウイリーに大量のトマト🍅やら、巨大カボチャ🎃を食べてもらったり、ジャック・ドードリアンには巨大カボチャ🎃に潰されて虫の息のグリーズ・リー将軍に回復魔法をかけさせたりしてから、バナナ姫一行はラーテル辺境伯との交渉に臨むのであった。
「貴君が本気で暴れたら、いくら私でも家臣領民を守り切れないからね。降参するよー。要求はなんだい? 金目💰のものかいかい? 辺境伯の領地かい? それとも
真っ赤なフルフェイスの兜に全身真っ赤でスレンダーな甲冑を着込んだ小柄な交渉相手、パンツァー・ラーテル辺境伯は呑気そうに言う。
「どれも要らんわ!」
「うーん、いけず」
「ベイベー、ようく考えよう! お金💰は大事だよ!」
「お前が言うな! エロジャック! もう貴様に無駄遣いはさせん! マジックアイテム『打ち出の小槌』さえあれば問題解決だ!」
「ああ、『打ち出の小槌』かぁ。アレって大工仕事に便利なんだけど」
「あんた、マジックアイテムを何に使ってるんだ!」
「丁度良い大きさでその割に重みがあって便利なんだよ。貴君と手打ちにできるのならあげてもいいんだけど、困ったなあ」
「どういうことだ? ココにはないのか?」
「というか今も持ってるよー」
「姫さん、たしかにラーテル辺境伯から『打ち出の小槌』の匂いがぷんぷんするでやんすよ!」
「ならばラーテル辺境伯、その『打ち出の小槌』を譲っていただこう!」
「じゃあ、お・ね・が・い。脱がせて〜」
どっごーん! めきめきめき!
怪しいポーズでシナを作るラーテル辺境伯。その頭をバナナ姫が兜ごしにぶん殴るとものすごい音がして、辺境伯の足元の床がクレーター状に凹んだ。
「いきなり殴るだなんて、びっくりするじゃないかあ」
ノーダメージのラーテル辺境伯がのほほんと反応する。
「うるさい変態! 下品な冗談を口にするな!」
「冗談じゃないんだよ。『打ち出の小槌』はこの赤い甲冑『
「では脱げば良いだろう!」
「そうしたいのは山々なんだけどねえ。全然脱げないんだよ、コレが」
「まさか、その赤い甲冑は一度装着したら脱げない呪いの装備か!」
「ほぼ正解だね。呪いじゃなくて武装解除防止の設定ミスなんだってさ。『
「より強い力を求めて裏目に出るだなんて、この人にはバナナと同じような匂いを感じるよ、マイエンジェル」
「ジャックうるさい!」
「そうなのかい? まあ効能は本当っぽいけど、まさか設定ミスで脱げなくなるとはねえ。で、甲冑を着たとき『打ち出の小槌』も首からストラップでぶら下げてたので取り出せなくて困ってるんだ」
「その甲冑を脱がせるにはどうすればいいのかはわかっているのか?」
「甲冑に想定以上のダメージを与えるか、装着者が生命の危機を感じれば緊急脱出機能が働いて脱げるんだってさ。だから、獣王国相手に戦争を仕掛けて、その攻撃を総受けすれば脱げると思ったんだけどねえ」
「そんな下らん理由でクーデターを起こそうとしたのか!」
「こっちも時間がなくて切羽詰まっているから仕方がないんだよー」
「いったいなんの話だ?」
「この甲冑着たままじゃあ、顔見せできないから婚活イベントに出れないじゃないかあ!」
「「「婚活イベントだとお⁈」」」
「うん!」
「グリーズ将軍、お主は知っていたのか!」
「当然じゃ」
「ジュニアと肉じゃがも知っていたのか?」
「「もちろん!」」
「このラーテル辺境伯領には脳筋バカしかいないのかあああああああ!」
「まあまあまあ、おかげでバナナ姫、貴君と出会えた私はなんてラッキーだ! 爆裂エルフがいればわざわざ獣王国と戦争しなくても良さそうだしねえ。コレも何かのご縁だ」
「これ以上バカとのご縁は要らない!」
「でも、貴君は『打ち出の小槌』が欲しいんだろう? だったら、貴君と私はWin-Winの関係だよー。私が甲冑を脱げるよう四の五の言わずに協力してくれたまえよー」
「ぐぬぬぬ。仕方ない。不本意だが、協力しよう。要はアンタを攻撃すれば良いのだな! ここでは不都合だから外で思いっきりやろう」
「いいね、いいねえ。では、転移門を教練場につなげて外に出ようかあ」
その十分後。
「ではいくぞ! ココナッツ・メテオ召喚!」
キーーーーーーーーーーーーーーーーン
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ
ドガン!ドガン!ドガン!ドガン!ドガン!
ドガン!ドガン!ドガン!ドガン!ドガン!
「良い良い良いッ!」
「次だ! ジャックフルーツ・メテオ召喚!」
キーーーーーーーーーーーーーーーーン
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリドシンドシン!ドシンドシン!ドシンドシンン!ドシンドシン!ドシンドシン!ドシンドシン!
「もっと! 全力の召喚魔法で来て欲しいッ!」
「この変態め! では究極技ギネス級アトランティックジャイアント・メテオ🎃だ!」
「「「「「「え?」」」」」」
「待つんだハニー! それは危険だ!」
「もう遅い!」
「ヤバいんでやんす!」
「「「辺境伯さま! 危ない!」」」
「いいね、いいねえ!」
キーーーーーーーーーーーーーーーーン
「みんな逃げるでござる〜〜〜!」
真っ赤な甲冑のラーテル辺境伯を残して全員全速力で遠ざかる!
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
ズーン!ズーン!ズーン!ズーン!ズーン!
「もっとぉ! もっとぉ! んモットォ!」
ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!
カッ!
ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオン!
「「「「「「ぐわらばああ!」」」」」」
低重心でバランスの良いバナナ姫を残して、皆が爆風で吹き飛ばされる。辺りに立ちこめる砂埃。
「仕留めたか!」
「「「「「「仕留めたらダメでしょう!」」」」」」
「辺境伯さま・・・・・・」
グリーズ将軍が心配気につぶやく。
爆心地の砂埃が晴れる。クレーターの中心に真っ赤な甲冑のラーテル辺境伯が拳を天に突き上げ立っていた。
「どうだい、これが私だあ! いやあこれだけの物理攻撃にもびくともしないだなんて良い甲冑だねえ。脱げないのが困るけどさあ」
「くそっ! 負けた!」
_| ̄|◯
バナナ姫が両手両膝を地につきうなだれた。
「まだ終わってないぞ、バナナ! ボクならあの甲冑を脱がせられるかもしれない!」
「ジャック」
「本人が心から甲冑を脱ぎたくなればイケるよ!」
「発想の転換か。でもどうやって?」
「バナナの知らない新しい技を使うよ。だから、この覆面を外して!」
「だめだ! 覆面を外すのは色々な意味で危険だ!」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ! このままではボクの新しい技が発動できない! 頼むよ、お姉ちゃん!」
「ん〜、仕方ない! 変なマネはするなよ!」
「もちろんだよ!」
「魔力注入!
ジャックが変顔の覆面を脱ぎ去った。
「ありがとう、バナナお姉ちゃん!」
福△雅治ばりのイケボも復活。そして覆面の下からはまるで少女漫画の主役のような超絶イケメンのエルフの顔が現れた。その美しさに、ジャックの素顔を見たグリーズ将軍、そしてジュニアと肉じゃがが息を呑む。
「相変わらず、嫌味なほどの色男でござる」
「なんと美しい。あれで男なのか」
「あれは
「知っているのか、肉じゃが!」
「脱がせ屋ジャックは世界中の
「それってただのド助平でエロい客じゃないか?」
「とんでもないっす。ジャック自身も舞台に上がって飛び切りエロい
「「「「ジャック・・・・・・おそろしい男」」」」
「バカジャック、お前はこの10年間なにをやっていたのだ・・・・・・」
「いやあ」
照れて頬を掻くイケメンエロフ。
「そしてファンの女性たちにしこたま貢がせていたっす」
「「「ジャック・・・・・・うらやましい男」」」
「「最低だな、ジャック!」」
「い、今はそんなこと言ってる場合じゃないよ! ボクの新しい技を見せるよ!」
ジャックはイケボで歌いながら身体をくねらせ、大きく反り返ったりして踊り始めた。
野菜も虫も〜自然〜体〜♩
ナス🍆が〜ママなら〜♬
キュウリ🥒が〜パパで〜♬
アリの〜ママは〜♪
女王アリなんだよ〜♬
そこまで歌うと上着を脱ぎ捨てた!
「このイかれた歌が新しい技?」
「姫さん、なぜか伊右衛門やもジュニアも肉じゃがもグリーズ・リー将軍、そしてラーテル辺境伯も一緒に踊ってるでやんす!」
「踊らされるでござる!」
「ほんとうじゃ!」
「なんなんだ、この力は!」
「へえ、面白い! 身体が勝手に踊ってしまうねえ!」
「これが、脱がせ屋ジャックのスゴ技っす。ジャックの踊りを見たら魅了されて、自分も踊りながら着てるものを脱いじまうっす」
「肉じゃが、お前も踊ってるぞ」
「分かっていても止められないっす。でも、姫さまはなんで大丈夫なんすか?」
「わたしにあんな状態異常技は効かない! 魔力の量が絶対的に違うから他人がわたしを操る事は不可能だ!」
「「「「さすがはバナナ姫さま!!」」」」
か〜ざら〜な〜い〜♫
素顔のキミを〜♫
素顔のボクを〜♫
本当のキミを〜♫
本当のボクを〜♫
パパママ内緒で〜♬
見せ合おう、さあさあさあ♬
ジャックは歌い踊りながら肌着を脱ぎ去り、ズボンも脱いでビキニブリーフだけの姿になり、ギリシア彫刻のような美しい肉体美を晒した。そして身体を捻ってコチラを振り向き、流し目で指差し🫵、叫ぶ。
「みんなも、脱いじゃえ!」
スポポポポポーン!
「「「「「えええええ!」」」」」
エロいいトコロで、
つづく!
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