第12話 自力更生、始まる

※専門用語がいくつかありますので苦手な方はスルーして下さいませ。



「PCはゲーム・ソフトがなければただの箱」

 この状況を打破するには・・・自分で作るしかない!!


 そこでなけ無しの小遣いを元手としてツール関係を手に入れる事に。ツクール系は便利だけど自由度に限界があるためパス。


 なので「MSX-DOS道具」なるものを自動販売機「武」の通信販売でゲット。ぶ厚いマニュアルとともに送られてきました。


 このツール、タイトル通りMSX-DOSなるディスク操作のプログラムが入っているのですが、マシン語をギリギリ人間に理解出来る言語ニーモニックで入力したものを自動で翻訳してくれるプログラムが入っているのです。



 高速かつ精密な命令を与える事の出来るマシン語を扱う事は我々MSXユーザーには憧れでした。失敗したらエラーメッセージもなく暴走するので(大抵はフリーズ状態)。


 意味の分かりやすいニーモニック言語にて構成して組み上げたマシン語は、まず命令変換表片手に自力でその言語を16進数に数式に変換する必要があります。

 その変換したデータに法則性はほとんどなく、我々人間からみると数字の羅列にしか見えません。

(16進数:0~9とA~Fまでを15の数字として扱い1ケタで表記する進数。

 10・11・12をA・B・Cとして表記します)


 そして初期状態のMSXはプログラム入力をBASICで扱うため変換したデータをBASICプログラムで埋め込むか、別売りの「モニタアセンブラ」なるものを使用するしかなかったのです。


 以上の手順でやっていた作業を同梱プログラムにより一気に自動で変換出来るようになりました。


 実際このツールで絵を表示するプログラムを作ったり、2バイトかかる全角ひらがなのデータを1バイト(半角)ですませ画面には全角表示させるメッセージルーチンを作ったりと色々重宝しました。

(MSXはメモリが貧弱なのでメッセージデータを全角そのままで入れると容量がバカにならんのです)



 また同時期に購入した「MSX-S虫」なるものには16進数化された羅列データを意味の分かるニーモニック言語に逆変換する機能があったり。本来は自作プログラムを動作しつつバグを発見するデバッグソフトなのです。


 お陰で他人様のマシン語プログラムやゲームプログラムを解析し自分用にアレンジしたりと随分勉強致しました。某雑誌に載っていた並列圧縮によるグラフィック圧縮プログラムも改良してみたり。


 もう一つ買っていた「MSX-C図書館」は文字通りMSXでC言語を扱うものでしたが、コレやると更にディスクアクセスが半端無く増大するのであまり使わずww


 それよりもMSX-C入門書にあった「VRAMディスク(現在で言う仮想RAMのようなもの)」なるものが無茶苦茶役立ちました。

 ゲームには使用できないけどマシン語作成の折に使うとディスクアクセスの負担軽減になります。アレ作った人は天才!

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