第10話 新機種登場とMSXの衰退期

 私もようやく高校に入る頃、MSXにまた新規格が登場しました。


 その名は「MSXturboR」→MSX3にはならなかったよww


 私は愛機が健在だった事もあって本機体を手に入れませんでしたが、CPUが追加されその速度は倍に!更に貧弱だったRAMも一気に256~512キロバイトまで増量!サウンドはFM音源の更に上のMIDIまで搭載!


 しかしこれだけやってもグラフィックを構成するLSIは従来のまま。他機種のPC-9801などと比べればどうしても見劣りしてしまいます。


 更に本体の製造メーカーは松↓電器一社のみ。なのであらゆる業界がMSX産業から撤退して行きました。専用ソフトも11本のみ。



 当然新規ゲームソフトも作られずパソコンショップからはMSXが消えて行き、中古販売店でしか見る事が出来なくなりました。

 その価格もプレミアが付きモノによっては新品価格以上なんてのも多々ある始末。いちいち買ってられるか!ww


 買い逃した名作は自動販売機「武」で。MSXだけでなく他機種はもちろんの事、営業末期では同人ソフトなどもラインナップしていたようでまさに救いの神でした。


 またこれと同時期に本屋などで販売していた廉価版のパソコンゲームもありました。買った中で印象に残っているのは「翼を持った男達(副題)」という忍者三名のゲーム。


 この頃ですらもはや古ゲーでディスクアクセスが多く動作も遅いのですが、ストーリーが超有名シナリオライターが書いたものなので物語にぐいぐい引き込まれます。



 そんな中で月刊「MSX愛好家」は雑誌にフロッピーの付録が付いてくる事になり、プログラムの打ち込みの労力が消えました。


 しかし当然価格が高騰(500円が一気に1000円以上に)。特に決められた小遣いをもらってなかったためついていけなくなり購読を断念。


(ウチは必要なものを親に申告すればお金をもらえるシステムでしたが、電車でガッコ通いしていた身分として毎月頂くのは気が引けていたのです)


 それ以降何年も発刊されていましたが、月刊が隔月刊となり1995年に廃刊となったようです。



「そんな未来の無い機種なんざ乗り換えて性能の良いPC-9801買えばいいんじゃん!」


 ごもっともですが国産機種PC-9801の本体価格はMSXの何倍もの20マンと、高校生ごときがおいそれと買えるものではありません。

 その上通学していたガッコ自体は寛大でしたが、家の掟では「学生の本分は勉強である!」と在学中のバイトは厳禁でした。



 一方ダチA氏とは違う高校に入った後も時たま遊んでいました。


 彼は学業の合間にバイトをしまくり先述のMSXturboRを買ったりPCユーザー達の憧れたるPC-9801を買ったり、はたまた新たなゲーム機を買ったりと自由奔放にしていたので羨ましく思っていました。


 もっとも当時の私には学業とMSX以外にもやる事があったので、バイトなんてやってたら本末転倒していたでしょう。案外これで良かったのかも。



 これより数年後、インターネットを始めた当初はMSXの記事を扱ったサイトが多々ありました。

 中には私のように家の人からバイトを禁止された学生時代を過ごしていたMSXユーザーもいたようで親近感を感じます。こんなの私ン家だけだろうと思っていたよww

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