第30話 我が家の神様に仲間入り 1/2

 神様が決断し、私らは即行動を開始。


 本家の人間に見つからないように山を下り始めた。


 え、遭遇する危険があるんじゃないかって?


 大丈夫。


 私と美佳が話し合っとるうちに、美女幽霊さんが手を回してくれとったねん。


 彼女の指示で、幽霊さんたちが先行部隊として出発。


 プラス、偵察に出てくれとった。


 せやから大丈夫。


「この先に本家の人間がいます。迂回しましょう」


「ご当主たちは神社に近づいているようです。ペースをあげましょう」


 ってな感じ。


 ホンマに頼りになります。


 流石神様……一つ気になったんやけど。


 走っているに近い早足で山を下りながら、


「なぁなぁ、美女幽霊さん」


「はい、なんでしょう」


 めっちゃペース早い。


 幽霊さんやから体力は無限にあるんやろうな。


 こちらは人間やから、ちょっとついていくのに必死。


 でも、聞きたいもんは聞きたい。


「うちにおる神様って美女幽霊さんだけなん?」


「いえ」


 私の前を歩いている彼女はスピードを落とさず答えた。


「もっといますよ」


「マジか」


「マジです。その方々は本家のクズどもと戦っています」


「おーん」


 初耳。


 美佳よ、こういうことは教えといてくれ。


 うちは幽霊さんだけじゃなくて神様もおるって。


 報連相は大事なんやで。


「非常に好戦的な性格ですので、『久しぶりに暴れまわれる』と意気揚々と出陣していきました」


「神様っていうより妖怪じみとるやんけ」


 そういや幽霊大戦争って言うてたな。


「因みに何体ぐらいおるん?」


「さぁ……性格な数は把握できていません」


 マジですかい。


 把握できんほどおるってことやん。


 オーマイガー。


「私もそこに仲間入りするのね」


 私の後ろにいる神様が口を開いた。


「仲良くなれるかしら」


「なんや神様、人見知り?」


「うーん。そんなはずはないのだけれど」


 美佳の性格に影響されとるんかな。


 対人関係……この場合は対幽霊関係も含むか。


 苦労しそうやね。


 今まで通りバイトをするとしたら。


 そんときゃー今までと同じように私が対応すればええか、うん。


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