第19話 私の味方 2
「いつもお世話になっております。駆けつけるのが遅くなってしまい申し訳ありません」
最後尾も確認できず。
どんだけおるねん。
いや、正しくは
「なんでみなさん来てくれたんですか」
ずらっと並んだ幽霊さん。
今まで生きてきて一度も視えたことのない幽霊さんが、初めて視えた。
こんな状況で。
「そりゃあ、お世話になっっている凛子さんと美佳さんの一大事ですもの。恩返しをする機会を逃しませんわ」
ハーフアップのブロンドで、多分海外の血が混じっとる。
わぁお。
こんな美人さんがうちにおったんかいな。
驚き桃の木やわ……アカン。
びっくりしすぎてオヤジギャグなんか言うてしもうた。
「ちょいちょいちょいちょい。待って」
「悠長に話している時間はないと思いますが」
「わかっとるけど!」
状況を整理せなアカン。
えっと、今私は変なバリアみたいなのに阻まれて立ち止めをくろうとる。
ほったら幽霊さんらが大量に現れた。
サラッと。
え、こういうのって光に包まれて目を開けたら目の前に……的なヤツじゃないん。
ふっつーに現れたんやけど。
なぜに?
「突然視えるようになったのは、良くも悪くも美佳さんの影響だと思います」
と、ハーフアップ美女幽霊さん。
「どういうことや」
「美佳さんの霊力が強くなったことで、この山に入った人間は全員視えるようになっているのだと思います」
「成程」
てことは、本家や他の分家の人間らも視えるようになっとるっちゅーことやな。
「なので」
「おん」
美女幽霊さんは口角を上げ、
「私たちがヤツら――本家の人間どもを足止めしてきますわ」
妖艶に笑った。
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