第5幕 味方

第19話 私の味方 1/2

 美佳の無事を強く祈りながらどんどん歩いていく。


 足取りは軽い。


「絶対見つけて帰るからな」


 待ってろよ。


「ん?」


 遠くの方で複数人の声が聞こえる。


 どこ歩いとんねん。


 神社への道はここ……ってアレ?


 数十メートル先に神社が見えた。


「導かれたんか?」


 暗いはずの森に蛍みたいなんがぽわぽわ浮いとる。


「オーブやん」


 せやけど、


「普通目に視えへんはず」


 写真とか映像には映るけど。


「それに私にはなんも視えへんのに」


 オーブに周囲を照らされながら神社に近づいていく。


 悪霊さんらに邪魔されることもない。


 順調すぎて怖い。


 罠なのでは?


 私を誘き寄せるための。


 いやいやいやいや、本家の力を持った人間どもを食らうんやったらわかる。


 力増すんやろ。


 なんの能力もない私を吸収したところでメリットなし。


 知らんけど。


 神社まであと数十メートルの距離に来たところで、


「おっと」


 跳ね返されました。


 ちょっと硬めのクッションに当たったような感覚。


 これが所謂結界か。


 もっとガッチリしたんを想像しとった。


 意外と人間に優しいタイプ……んなわけあるかい!


 完全に美佳のことを乗っ取っているヤツやぞ。


「いきなり壁に当たったら怪我するやろなぁ、クッションみたいに柔らかくしたろ。的な考えするわけないやろがいっ」


 セルフツッコミ。


 幽霊さんがツッコんでくれたとて、聞こえるわけが……


「凛子さん」


「ひっ」


 聞こえたよ。


 瞬時に振り返るとそこにいたのは、


「初めましてですが、初めましてじゃないですね。凛子さん」


「わっ」

 

 扇状に広がった幽霊のみなさん。


 地面が見えないほど肩をくっつけ合って並んどる。


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