第8話 

 僕はかわいさも手伝って四六時中赤ちゃんに神経を使っていた。

 ある日赤ちゃんを抱こうとしたらぎっくり腰になってしまった。以前子育てを終わった友人からも注意を受けていた。やっぱりと、自覚しながらも泣かれるとついつい抱っこしてしまう、彼女に抱き癖がついてしまうよと注意されながらも、つい抱っこしてしまう、やはりかわいさがすべてに先行してしまうのか、自分の年齢も体力も忘れてしまう。母親が「子供を持ってみなけりゃ親の気持ちはわからないよ。」と言っていた母親の言葉が次か次へと思い出だされる。とにかく赤ちゃんは親の都合なんて関係ない。親となったからには全力で立ち向かうのみだ。

 毎日があっという間にに過ぎて行く、1日のほとんどを赤ちゃんに関わっているような気がする。合間にかろうじて仕事をやっている。

 1年が過ぎた。ミルクや食事の間隔がすこし伸びて楽になったような気がした。そんなとき彼女に新たな妊娠を告げられた。僕は驚きで少しめまいを覚えたがすぐに喜びに変わった。深呼吸をして「良し」と自分に言い聞かせて気合を入れた。


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