第6話
予定日が3日過ぎた早朝、分娩室から小さな泣き声が聞こえたかとおもうとそれが徐々に大きくなっていった。僕は少し興奮をおぼえながら武者震いをした。まもなくドアが開くと看護師さんが「男の子ですよ」と晴れ晴れとした声で言った。僕はホッとして全身の力が抜けていくのを感じていた、戦い抜いた達成感みたいなものを感じていた。早速赤ちゃんに会うと大きく見開いた眼で1点をみつめながらやはり何かをやり遂げたような表情にも見えた。彼女も達成感と安堵感のような表情でとてもリラックスしていた。
それから1週間後に退院した。僕は車で迎えに行き、帰りがけに彼女の実家に立ち寄ることを提案した。彼女はあまり乗り気ではない返事をしたが、僕は夫として最低限の務めだろうと自問自答をして勇気を奮い立たせて言った。
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