ラヴクラフト以外のクトゥルフって何がある?

クトゥルフ神話は、ラヴクラフトの「ダゴン」という短編からはじまった神話体系です。


今なお成長をし続けるクトゥルフ神話は、彼が始めたものではありましたが、彼1人が生み出したものではありません。


例えば、「ハスター」という邪神がいます。この邪神はロバート・W・チェンバースの『黄衣の王』という作品に登場しますが、これをラヴクラフトは『闇に囁くもの』で登場させました。


また、「ネクロノミコン」はラヴクラフトが生み出した魔術書ですが、多くの作品で名前が出ていることは言うまでもないでしょう。


このように、クトゥルフ神話はラヴクラフトとそのフォロワーとで、相互に設定を共有し、発展していったのです。






フォロワーの何人かを紹介したいと思います。


まずオーガスト・ダーレス。「イタクア」などを生み出した方で、ラヴクラフトの熱狂的なファンでした。今でいう五芒星ごぼうせいの印というのも、ダーレスが生み出しました。


次に、リン・カーター。この方はなんと「エイボンの書」を、実際に(もちろん創作ではありますが)作り出そうとしました。


さらには、ラムジー・キャンベル(「イゴーロナク」「グラーキ」の生みの親)や、ブライアン・ラムレイ(『タイタス・クロウサーガ』)などがいます。








クトゥルフ神話は、多くの人間によって成り立っているがゆえに、設定がぶれっぶれなことがよくあります。


ダーレスやカーターはそこを整理し、体系化しましたが、それでもブレているところは多いです。


また、別にホラーじゃないのもかなりあります。ハスターとシュブニグラスのロマンスがあれば、ティンダロスの猟犬は擬人化して人々の中に紛れこむ。ニャルラトホテプは『ニャル子さん』へ。ラヴクラフトだって女体化されています。


なにが言いたいかっていうと、いろんなクトゥルフ神話があるってことなんです。


だから、皆さんも自分に合ったクトゥルフ神話を探してみてください。


ラヴクラフトの手がけたものもいいですけど、それ以外もすっっっごく面白いですから。

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