「クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム」

株式会社KADOKAWAから出ている、クトゥルフ神話TRPGのソースブックです。

ソースブックというのは、ゲームにおける追加アップデートみたいなもので、この本にはたくさんの神話生物・邪神の情報がまとめられています。

ステータスや攻撃方法などのゲーム的なものから、

その神話生物がどのような容姿をしており、

どのような場所で多く見られ、

どのような存在に仕えているのか……などなど、

事細かに書かれていて、モンスター図鑑としても使えます。

なによりもありがたいのが、その神話生物がどのような容姿をしているのか、登場作品から描写を抜粋（ばっすい）していることです。

不気味な写真やイラストもあって、冒涜（ぼうとく）的存在のイメージを膨らましやすいのが特徴でしょうか。

短所かどうかはわかりませんが、TRPG独自の解釈がなされている部分があります。

例えば、ニャルラトホテプの項目には、びっくりするくらい化身がいます。

実に２９ページにわたって。

もちろん原作小説からのものもあれば、

既存の神話から似ているものを例としてあげられてもいます。

また、TRPG独自のものには、

ティンダロスの猟犬の王こと「ミゼーア」があれば、

ラヴクラフトが参考にしたとされる小説家のもの（ダンセイニの「マアナ＝ユウド＝スウシャイ」など）も含まれていたり。

そういうわけなので、登場している小説を読もうとしたら、TRPGが初出じゃんってこともままあります。

そうじゃなくても小説自体が邦訳されていなかったり……。

ただ、雰囲気を楽しむ分にはいいですし、そもそも、そもそもコレ、TRPGの本ですしね。

パパッと気になる神話生物を調べられる「マレウス・モンストロルム」。神話的物語を書かれる人や、邪神スレイヤーにオススメです。

ちなみにですが、マレウス・モンストロルムは6版と7版があります。わたしが持っているのは6版。

7版は基本ルールブックの改訂に合わせて出版されたものです。

基本的なところは変わりませんが、7版は神話生物オンリーと邪神オンリーの2冊に分かれています。

ただし、いくつか削除されている神話生物／邪神がいるそうなのでご注意を。その分、一体ずつの解説が濃くなっているので、そこら辺はトレードオフかも？

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