「真ク・リトル・リトル」と「暗黒神話体系」について
真ク・リトル・リトルシリーズ(以下「真ク」)は全7巻で、国書刊行会から発売されています。
暗黒神話体系クトゥルーシリーズ(以下「クトゥルー」)は全13巻で、青心社から発売されています。
この2つはクトゥルフアンソロジーであり、ラヴクラフトが手がけたもの以外のものも収められています。というか、それ以外のものが多数を占めています。
まず違いとしては、真クは電子書籍があり、クトゥルーには存在しません。
真クは一冊のお値段が高め(1300円)で、クトゥルーは安め(800円)です。もっとも、全巻購入した際は、トントンといったところでしょうか。
内容の違いとしては、真クの方が、新しい作家の作品を収録しているという点でしょうか。ただ、収録作品の数という点では、クトゥルーの方が多いです。
翻訳に関しては、どっちもどっちと思います。少なくとも、めちゃくちゃな差があるわけではないと私は感じました。
ともにアンソロジーであるため、読んでみたい作品がある、あるいはラヴクラフトが手がけていない邪神(イゴーロナクやイタクア)が気になる、そういった方におすすめです。
が。
注意してもらいたいことがあります。
実はこの2つのアンソロジー、同じ作品の小説が、全然違うタイトルで収録されているのです。
「顔のない神」→「無貌の神」
「ハイドラ」→「ヒュドラ」
ならまだいい方で、
「夜歩く石像」→「恐怖の山」
「妖蛆の秘密」→「星から訪れたもの」
「探綺書房」→「本を守護する者」
などになれば、別のものにしか見えません。
そのため、案外ダブっている作品も少なくありませんので、両方買われる際はご注意ください。
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