第6章 39話 精霊と友達に

 わたしだって……。


 わたしだって、夏澄くんが大好きだ。優しさでできた夏澄くんを、なによりも一番に護りたいと思う。


「……わたしも、夏澄くんを護りたいです」


 ……ありがとう、風花。

 私たち、風花のことも護るからね。


 スーフィアはささやき、姉のような瞳で風花を見た。


 やっぱり、風花と優月は似ているわよね。


 ねえ、風花……。と、スーフィアはささやいてくる。


「夏澄を護ろうとして、無理はしないでね。そうしないと、優月みたいになる気がして怖いの」


「え?」


「風花はがんばりすぎるところがあるから。……優月に似ているのよ。あんまりがんばると、きっと優月みたいに心が壊れちゃうから」


 意味が分からず、風花は返事ができない。


「ごめんなさい。こんな嫌な話して。……でも風花にはね、ずっと私たちと一緒に夏澄を護って欲しいの。ねえ……」


 ねえ、風花は私たちにあまり好かれてないって思ってるでしょ? だから、記憶を消されたんだって思ってるでしょ?


 ふいにスーフィアがいい出す。

 風花はごまかすように首を振った。


「勝手に記憶を消しておいて、いっていいことじゃないけど、嫌ったんじゃないの。優しい風花が、私も夏澄も飛雨も、初めて逢ったときから大好きだったの」


 今さらだけど、私や夏澄とお友達になってね。


 スーフィアは微笑んだ。


 友達……。


 風花は黙り込む。

 次々にうれしい言葉をいわれて、ぼんやりしてしまう。

 くらっと目まいがして、深呼吸した。


 友達って、これからも?


 これからも、夏澄くんはわたしの友達でいてくれるんだろうか?

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