第6章 20話 草花と小毬たち
風花は辺りを見回す。春ヶ原の端のほうで視線を止めた。
背伸びして、目を凝らす。草に隠れてよく見えないが、誰かいるようだった。
春ヶ原はいろいろな木に囲まれている。その花海棠の根元に草花が横たわっていた。周りで小毬やビー玉たちが護るようにしている。
竹とんぼが不安げに草花にすり寄っていた。
横になっていた草花が身じろぎした。
すると、また風が起き、草花を撫でる。草花はまた動かなくなった。
風は小毬たちにも吹きつける。
すると、小毬たちは次々に倒れた。
まるで草花たちを狙ったようだった。
立貴が雨を止め、草花たちに駆け寄った。
なんで?
風花は立ち尽くす。
……きっと偶然だ。優月さんがこんなことをするはずがない。
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