第6章 13話 もう一度の風

 優月は夏澄に頭を下げて、向きをかえる。


 そのとき、枯れ葉を含んだ風が吹いた。

 優月が放つ冷たい風だった。


「ねえ、優月さんっ」


 風花はかまわず、優月に駆け寄った。


 体の力が抜けて、風花はひざをついた。


 風力が強くなる。


 風花の体が押される。風花は体勢を崩して、地面に体を強く打った。


「風花っ」


 悲鳴のような声をあげ、夏澄が駆け寄る。


「ありがとう、だいじょうぶ」


 風花は立ち上がったが、ぐらっと視界が傾く。


 え? と思う間もなく、目まいがして、地面に両手をついた。

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