第6章 6話 意を決して

「ねえ、夏澄くん……」


 風花はそっと声をかける。

「優月さんが元気になるように願おうね」


 風花は、優月に視線をもどした。

 ……。


 目をみはる。


 優月の瞳に涙が浮かんでいるように見えた。


「優月さん……?」

 風花は優月の顔を覗き込む。


 風花の言葉で、夏澄が風花の横に立つ。


 同じように、優月を見つめた。

 優月の瞳を食い入るように見つめる。ずっと、そうしていた。


 やがて、意を決したように、優月の傍らにすわる。


 夏澄は地面にひざをついて、彼の顔を覗き込んだ。

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