第5章 67話 きっと、だいじょうぶ

 藤原の御泉公園は、だいじょうぶだろうか。


 霊力を出し過ぎて、優月さんは疲弊しないだろうか。

 公園の植物が枯れたら、優月さんはもっと傷つくだろうか。


 布団を握る手に力が入る。


 涙が出そうになり、風花は布団を額までかぶった。


「だいじょうぶ、そんなわけない」


 大人なスーフィアさんが、優月さんを見守ってくれている。

 夏澄くんたちだってついている。


 風花は霊泉の結界の中にいるはずの、夏澄たちの姿を想像してみる。

 きっと、癒やしの霧にもたれて、みんなで眠っているはずだ。


 きっと、だいじょうぶ。


 ……もう、嫌だ。


 風花は心で何度も繰り返す。

 ゆっくり呼吸して、なんとか眠りに落ちようとした。

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