第5章 60話 精霊たちの世界

「優月のことは心配しないで。私たちがついてるから。……風花は明日の朝、早く霊泉に来て」


「そうですよね……」


 風花はすんなりとそんな言葉を出せた。なんとなく、体に力が入らない。


 住む世界が違う。


 そんな考えが頭をよぎる。


 もし、今一緒にいるのが、ひろあや香夜乃のような人の友達だったら、こんな淋しさは感じなかっただろう。


 いつか……。


 いつか、わたしでも当たり前のように、精霊さんたちの側に立ちたい。


 夏澄くんたちと同じ世界で、生きていきたい。


 風花は黙って手を振る。

 向きを変えて歩き出した。

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