第5章 59話 夕刻

「そろそろ日が暮れるわ……」


 ふいに、スーフィアが風花を振り返った。

「風花はそろそろ帰らないと……。門限を決められているのよね?」


 え? と風花は息を飲む。


「スーフィアさんたちは?」


「私たちは、優月が落ち着くまで、ここにいるわよ」


 風花は優月を見つめた。彼の表情は少しも変わっていない。


「あの……。今日くらいだいじょうぶですよ?」

「でも……」


「ちょっと遅くなっても平気です。友達が大変だったっていえば、ババだって……」


「風花」


 飛雨の低い声が飛ぶ。

 彼は風花をひと睨みした。


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