第5章 52話 青葉にもどる枯れ葉

「もしかして私がいるから、ここで吹くのでしょうか?」


 風花は迷ったがうなずいた。


「うん、そうかもしれない。ねえ、原因に心当たりはない? 今日、解決すれば、もう春ヶ原はだいじょうぶになる……」


 風花は体を震わせた。


 砂埃とともに、大きな風が向かってきたからだ。


 風は更に強さを増した。


 風花は優月のとなりにすわって、しろつめ草を手で覆う。


 その風に乗って、目の前になにが降ってきた 風に混ざっていた枯れ葉だった。


 枯れ葉は優月の肩に当たる。


 すると、葉が優月の霊力の光を受けて輝いた。


 優月の霊力を吸い取るようにして、ゆっくりと伸び、青葉にもどった。


 青々としたその葉は、細長くて厚い葉だ。


 どこかで見たことがある。 柑橘類の木の葉によく似ていた。


 葉は風花の手の中に落ちる。


 実体ではない、霊力でできたの葉のようだった。


 触れることはできるが、たまに透き通るからだ。

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