第5章 44話 もしかして、草花を……。

 もしかして優月さんは……。


 優月さんは草花ちゃんのことが好きなのかもしれない。


 夏澄とスーフィアも、秋桜の前にすわった。


「なんだか奇跡の花みたいだね。きれいだよ、風花」


「本当にきれいね。風花、わざわざ探してくれたのよね。ありがとう」


  風花はうつむいて、わらった。 喜んでもらえるか、少し不安だったのだ。


「土手にはね、春紫苑やたんぼぽも、まばらに咲いてるよ。それから、川原の早乙女葛もすごいよね」


 風花は川原を指差す。 あとね、と、優月たちを振り返った。


「次はゲームをしない? 体を動かすのは気持ちがいいよ。……私ね、かくれんぼがいいと思うの。人目をつかないで遊べるでしょ?」


「かくれんぼ?」


 夏澄は首を傾げる。

 ああ、あの遊びだと、声を弾ませた。

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