第5章 36話 うさぎの一日ママ

「草花は動物と話すことができました。意思疎通ができることもあって、山の動物たちに可愛がられるようになりました」


「生まれた時から話せたのか。霊力強いんだな」


 飛雨が感心したようにいう。


「中でも桃葉ももはといううさぎと、親しくしていました。桃葉は母うさぎということもあって、草花を自分の子のように扱いました」


 うさぎに?! と、風花が声をもらした。


 しばらく、なにかを考え込むようにした後、いいなーっと、声を弾ませる。


「うさぎに育てもらうって、どんなだろう。ねえ、飛雨くんっ。うらやましいよね」

「はあ……、そうだな」


「いいなー、一日体験させてくれないかな。ねえ、飛雨くん。うさぎの一日ママとか、わたしたち人間の夢だよね」


「お前ってなんか、変わり者か? いつも、そんなこと考えてるのか?」


 飛雨はため息をついた。

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