第5章 32話 水の精霊の性質

 立貴の話だと、不老不死の精霊は、みんなそうなのだそうだ。


 若いうちに、心の成長が止まる。


 永遠の世界で幸せでいるため、感情の起伏を無くさないため、必要なのだろう。


 水の精霊には、他にもふしぎなことがある。


 数多くある精霊の種族の中で、優しさだけでできている唯一の一族なのだ。


  彼らは、決して他者を傷つけない。


 そんな性質を守るため、霊力がとても強い。


 精霊たちの中で、特殊な存在だ。


 水の精霊の国も特殊だ。


 優しさだけの国で、まるで楽土のようだ。


 防御に重きを置くから、外界との接触はあまりしない。静かに穏やかに暮らしている。


 すべてが穏やかだから、争いは起きない。


 だから王という存在もなく、皆、同格に生きている。

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