第5章 26話 飛雨と一緒に

「はい、夏澄っ」


 両手に乗せて、満面の笑みで夏澄に差し出した。


「ありがとう」


  夏澄がいうと、青い星水粒はふわっと宙に浮く。 くるくると夏澄の周りを回り始めた。


「夏澄くんは青が似合うね」

「だろ? 風花」


 飛雨は破顔する。

 もっと夏澄に渡そうぜと、風花の腕を引いて蒼天樹のほうに駆け出した。


「幻影だからいいけど、それは本来、蒼天樹を護るものですからね」


 スーフィアが嗜めるようにいう。


「分かってるよ」


 飛雨はひょいひょいと、星水粒をつまんで抱えていく。


 風花と一緒に、夏澄と優月を粒まみれにした。

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