第5章 25話 星水雨

 風花は星水雨にそっと触れてみた。


 軽く押しただけだが、星水粒は葉の上で転がる。

 つまんで手のひらに乗せると、腕から肩へと移動したり、肩の上でくるくる回ったりする。


 まるで、意思を持っているようだ。 小動物に甘えられているようで、風花はくすぐったい気持ちになった。


「はい、優月さん」


 風花は緑色の星水粒を数個、両手に乗せ、優月に差し出した。


 優月は手のひらで受け取る。 すると、星水粒は光を強めた。


 まるで、優月に光を届けようとしているようだった。


 風花は、夏澄に訊いてみる。

 おまけだよと、夏澄はわらった。


「本物の星水粒の光は強くならないけどね。幻術だから、アレンジはできるんだ」


 オレもオレもと、飛雨が立ち上がった。


 青い星水粒を集める。

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