第5章 21話 優月に……

『風は弱くて、今までみたいに四方に流れないで。動きも違ってね。なぜか、まっすぐ優月に向かっていったの』


『優月に? なんで……』


『……間違いかもしれないけど、私は狙われたのは、彼だって感じたの』


 スーフィアの瞳に、一瞬悲しみがよぎった。


 彼女はすぐに表現をもどし、やわらかくわらう。


 風花は体を固くして、手が震えるのを抑えた。


 優月さんが、狙われてた?


 どうして?


『でも、なんでだ? 原因に心当たりはないのか? スーフィア。その風から、なにか読めなかったのか?』


 飛雨の苦い声が響く。

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