第5章 16話 みんなまぶしい

 どきどきして、風花は目を瞬かせる。


 夏澄はいつもまぶしい。こんな風にまっすぐ言葉を向けられると、


 余計にそう思う。


 さすが精霊だ。 瞳だけじゃなく、笑顔も、風花に与えてくれる優しさも。


  きらきらした言葉も。青い髪と瞳をした姿も。

 みんなまぶしい。


 優しい……。


 夏澄にもらった言葉を、心の中で繰り返した。

 わらいを堪えようとしたが、できない。


 風花は口元を両手で覆って、うつむいた。


「なにやってんだ、風花」


 飛雨が呆れ顔をする。


「思い出しわらいは、よくないぞ」

「楽しいことを思い出すのは、いいことだよ、風花」


 夏澄が、まぶしい瞳をする。

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