第5章 6話 飛雨は布団を転がる
「万が一……」
飛雨は繰り返した。ふいに、不安気に眉根を寄せる。
そわそわと布団を転がった。
「それはー……」
「ねっ。だからわたしも防御しないと」
風花は、飛雨に詰め寄った。
ゆっくりうなずきかけた飛雨だったが、あわてたように背を向けた。
「い、いや、だめだ」
「でも……」
「風花は今の自分にできることをしてくれ。……霊力の訓練だってそうだ。焦らないで、ゆっくり変わることが大事なんだぞ」
「でも……」
そんなんじゃ、夏澄くんの役に立てない。 こんなに大事なときなのに。
春ヶ原を護りたいし、春ヶ原と自分の故郷のことを重ねている夏澄くんを助けたい。
風花は肩を落とした。
どん、と、気分が重くなった。
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