第5章 4話 オレが護る

 でも、夏澄くんが危険な目に会うなんて……。


 風花は壁にもたれた。

 落ち着きなく、また身を起こす。


 ベッドで大の字になっている飛雨は、首だけ風花のほうに向けた。


「飛雨くんは今回、全然心配しないんだね。」


 風花はずっと疑問だったことを訊いた。


「なにを?」

「夏澄くんが盾になるってこと。だって夏澄くんが傷つくかもしれないんだよ。絶対、反対すると思ってたのに」


「ああ。実は夏澄にそんなことさせないよ。夏澄にはバレないように、オレがこっそり盾になる」 


 夏澄を護るために、オレが風花の盾になる。


 オレが護るんだよーと、唄うようにいう。


 夏澄を護るー、夏澄を護るーと、ぶつぶつつぶやき始めた。

 なぜか、満面の笑みだった。

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