第4章 50話 竹とんぼとけん玉
風を切る風花の頭の中に、夏澄の澄んだ声がずっと届いていた。
夏澄は、今日の春ヶ原の様子を話してくれる。
……春ヶ原に、また動物が増えたよ。
……鶏卵場のベルトコンベアの下に隠れていたひよこ二匹を、草花が連れて帰ってきたよ。
……男の仔のひよこで、竹とんぼと、けん玉と名付けたよ。
……優月を癒したお礼に、草花と優月が舞を舞ってくれたよ。
……花吹雪の中の舞は、なによりも美しかったよ。
「わたしも見たかったな」
春ヶ原の花吹雪が、まぶたの裏に浮かぶ。
『優月たちも、風花に見せたかったって。優月たちは舞をね、友愛の証として見せてくれたんだよ。俺や風花を友だっていってくれたよ』
……本当に? と、風花の心は弾む。
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