第4章 47話 夏澄の迷い

 風花はあれ、と思った。


 夏澄が口を少し開き、更になにかいおうとしていたからだ。

だが、迷うように瞳をみはって、なかなか言葉にしない。


 やがて、うつむいてしまった。


「どうしたの……?」


  問う風花を、スーフィアが手で制した。


「ねえ、続きは後で話しましょう」

「え?」


「風花はもう帰らないと」

 そうだった、と風花は立ちあがった。


  夏澄くんたちや、優月さんの無事は確認できた。これ以上、わがままは通せない。

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