第4章 22話 瞑想

 霊力のことは、少し分かってきた気がする。


 念じるという飛雨の説明のお陰だ。イメージできるようになった。


 それで、土日の昼間も自主訓練した。


 徹夜もしたけど、霊力は芽生えなかった。


 ……早く霊力が欲しい。

 早く早く。夏澄くんたちや春ヶ原の役に立ちたい。


 どれくらい時間がたったのか、先生が来たよと、ひろあが体を揺する。


 学校なんかに来ている場合じゃない。

 早く……。


  授業中も瞑想すればいいんだ。


  名案だと、霞んだ頭の中で思った。


  風花は目を閉じたまま、イスの上に正座する。


「やめなよっ、みんな見てるよ!」


  悲鳴に近いひろあの声がした。

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