第4章 21話 親友だから

 やっと休み時間になった。


  風花は机に顔を伏せて、目を閉じる。


「この頃おかしいよー。そんなに寝てないの?」


 ひろあの声がした。


「さっきの授業のこと覚えてる?」

  香夜乃の声もする。


「あんまり」


「こんなぐだぐだした風花、初めてじゃない」


「ちょっと寝ていい? 授業始まったら起こして……」


「ねえ、なにがあったの? そろそろ話してよー」


  不満気なひろあに、無理に聞いちゃだめだよ、と香夜乃が制する。


「だって親友同士で秘密なんて……」


 そんな声を聞きながら、風花は眠りに落ちた。

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